練習だと調子いいのに本番だと上手くいかない問題(音響編 その1 )
aim音楽教室は、ヴォーカルもギターもDTMも、いっぺんに習えてしまう教室です。
7~8割の生徒さんはひとつの科目で受講されてますが、他の科目にも興味が出てきて同時に習っている方も、2~3割いらっしゃいます。
さて、初回は何を書こうかと思いましたが、ヴォーカリストにもギタリストにもDTMer(ソングライター)にも、全員に役に立ちそうなことにしてみました。
「発声の仕方」とか「音楽理論」などは丁寧に説明しているサイトはたくさんあるので、ここではちょっと変わった視点から書いてみることにします。簡単に言うと「音響」についてです。
かつては「パフォーマーはそういうこと知らなくていい」「専門的なことはその道にプロに任せろ」という意見が一般的でした。今でも、あるレベルではその通りだと思います。けれどもPCとネットの発達により、誰もが自分で作品を仕上げたり、発表できる時代になり、だいぶ様相が変わってきました。
「一人で歌ったり演奏してる時はいいけれど、いざ録音、録画してみたり、またライブで人前でやってみると、なんか思うように上手くいかない」そんな悩みをよく聞きます。それはもちろんメンタルの部分もあるのですが、その前に音響について確かに知識を持っていないことが原因であることがとても多いように思われます。
せっかく「音を楽しもう」としてるのに、「音の響き」について無頓着なんて…
なんて、もったいない!
というわけで、早速本題に入って行きましょう
これは「周波数特性グラフ」というものを、簡略化して描いたものです。
左の縦軸「dB」はデシベルと読みます。なんとなく聞いたことがあるでしょうか?音の大きさを表します。
今回大事なのは横軸の「周波数」の方です。「Hz」はヘルツ呼びます。これも健康器具のCMかなんかで耳にしたことがあるかもしれません。20ヘルツは、1秒間に20回、空気が振動しているということです。
人間の歌声は、だいたい1キロヘルツ(1000ヘルツ)辺りと覚えておきましょう。(学術的にはもっと低い所にあると思いますが、音楽をやる上で分かりやすい表現にします)
マイクを使って喋ったり歌ったりすると「キーン」と嫌な音がした経験がある人は多いと思います。
また、初めて録音した自分の声を聞いた時、「これ誰?私?」と思ったことはないでしょうか?こういうのも、周波数ということを頭に入れておくと、謎が解けるようになります。
さて、アコースティック・ギターはどうでしょう?グラフで見るとずいぶん広いですね。つまり人間の声よりも低い音や高い音が出るということです。
アコースティック・ギターで弾き語りをする人はたくさん見かけますが、ベース弾き語りとか、エレキギター弾き語りはあまり見かけませんよね。それは、アコースティック・ギターほどは音域が広くないので、物足りなく感じてしまうからでしょう。歌だけのアカペラというのも、超絶に歌の上手い人なら聴かせられるでしょうが、それでも長時間となるとちょっとツラいかもしれません。
人間って実は、低い音から高い音までまんべんなく綺麗に出ている音を「心地よい」と感じるようです。海の音や川の流れる音、いわゆる癒しと呼ばれるような自然の音を録音して周波数を見てみると、このグラフが綺麗に平らになります。何か大きなヒントがあるように感じます。
このままずっと話し続けられそうですが、第1回目なので今日はこの辺で。